海外移住者をはじめ、海外赴任者、海外旅行者にとって、海外で利用するクレジットカード選びでお悩みの方も多いのではないでしょうか。渡航先の状況や自身のライフスタイルに合わせて、最適なカードを選ぶことで、より快適な海外生活を送ることができます。
また、万が一のトラブルに備えて、異なる国際ブランドのクレジットカードを、2〜3枚持ちだと安心とも言われています。
この記事では、海外移住する日本人におすすめのクレジットカード12選、クレジットカードの選び方や注意すべきポイントについて詳しく解説します。
- 1. 海外へ持って行くクレジットカードは何枚がベストか
- 1.1. セキュリティとバックアップ
- 1.2. 国際ブランドの違い
- 1.3. 為替手数料
- 1.4. ポイントや特典の最適化
- 1.5. キャッシングと現金引き出しの利便性
- 1.6. 利用限度額の確保
- 1.7. 特定店舗での利用制限回避
- 1.8. カードの種類や発行元の多様性
- 2. 海外移住者向けクレジットカードの選び方
- 2.1. 海外利用手数料
- 2.2. 対応国際ブランド
- 2.3. 海外旅行保険の充実
- 2.4. ポイント還元率
- 2.5. 年会費
- 2.6. 特典とサービス
- 2.7. その他
- 3. 日本で発行したクレジットカードの使用可否
- 3.1. 住民票を残した場合
- 3.2. 住民票を除票して海外転出届を出した場合
- 4. 海外利用におすすめのクレジットカード紹介
- 4.1. ダイナースクラブカード
- 4.2. JCBゴールドカード
- 4.3. JCBゴールドWカード
- 4.4. エポスカード
- 4.5. アメリカン・エキスプレス・グリーンカード
- 4.6. アメリカン・エキスプレス・ゴールドカード
- 4.7. 楽天プレミアムカード
- 4.8. リクルートカード
- 4.9. 三井住友カード
- 4.10. 三菱UFJニコスカード
- 4.11. ANAカード
- 4.12. JALカード
- 5. まとめ
海外へ持って行くクレジットカードは何枚がベストか
海外移住時には最低でも2〜3枚のクレジットカードを持って行くことが推奨されます。以下にその理由を詳しく解説します。
セキュリティとバックアップ
紛失・盗難のリスク
海外では紛失や盗難のリスクが高くなるため、万が一1枚のカードを失った場合でも、他のカードがあれば困ることがありません。
カードの利用停止
海外で日本のクレジットカードを頻繁に利用していると不正利用が疑われ、カードが一時的に停止されることがあります。その際に予備のカードがあればすぐに対応できます。
国際ブランドの違い
ブランドの受け入れ状況
海外では、VisaやMastercard、American Express、JCBなどの国際ブランドの受け入れ状況が国や地域によって異なります。複数のブランドを持っていると、どこでもカードが利用できる可能性が高まります。
為替手数料
手数料の違い
各カード会社は異なる為替手数料を設定しているため、状況に応じてクレジットカード使い分けることができます。
ポイントや特典の最適化
ポイント還元率
各カードのポイント還元率や特典が異なるため、使用するシチュエーションによって最もお得なカードを選ぶことができます。
特典の利用
旅行保険や空港ラウンジ利用など、カードごとに異なる特典を最大限に活用できます。
キャッシングと現金引き出しの利便性
キャッシング機能
海外で現金が必要な場合に、複数のカードでキャッシングを利用できると便利です。また、カード会社ごとに異なる金利や手数料を比較して有利な条件を選べます。
利用限度額の確保
限度額の制約
一枚のカードだけでは限度額に達してしまうことがあるため、複数のカードを持っていれば大きな支出にも対応できます。
特定店舗での利用制限回避
特定の店舗やサービスでの制限
一部の店舗やサービスでは特定のカードブランドしか利用できない場合があります。複数のカードを持つことで、このような制限を回避できます。
カードの種類や発行元の多様性
発行元の違い
同じブランドでも発行元によってサービスや特典が異なります。複数の発行元からカードを持つことで、幅広いサービスを利用できます。
海外移住者向けクレジットカードの選び方
海外での利用に適したクレジットカードを選ぶ際に考慮すべきポイントは、主に以下の通りです。
海外利用手数料
海外利用手数料とは、日本で発行したクレジットカードを海外で利用した際に発生する追加の費用のことを指します。具体的には以下の二つの手数料があります。
為替手数料
海外でクレジットカードを利用すると、その取引は現地通貨で行われますが、最終的にはカードの発行元が設定する通貨(通常は日本円)に換算されます。この換算の過程で為替手数料が発生します。為替手数料は通常、取引金額に対して一定の割合(1〜3%程度)が加算されます。
ブランド手数料
国際ブランド(Visa、Mastercard、American Expressなど)によって設定される手数料で、これも取引金額に対して一定の割合が加算されます。この手数料はカード発行会社によって異なります。
対応国際ブランド
国際的に広く受け入れられているブランド(Visa、Mastercard、American Expressなど)のカードを選ぶと良いです。特に、VisaとMastercardは多くの国で利用可能です。
海外旅行保険の充実
海外旅行中の万が一の事故や病気に備えて、充実した海外旅行保険が付帯しているカードを選ぶと安心です。死亡・後遺障害、治療費用、救援者費用、賠償責任、携行品損害などの補償内容を確認しましょう。
ポイント還元率
海外利用でポイントが貯まりやすいカードを選ぶと、帰国後にそのポイントを利用してお得に買い物ができます。特に、航空会社のマイルが貯まるカードは、旅行好きには有利です。
年会費
年会費がかかるカードも多いですが、年会費がその特典や保険内容に見合っているかを判断しましょう。年会費が無料のカードも検討に値しますが、特典や保険内容が限定されることが多いです。
特典とサービス
空港ラウンジ利用や旅行関連の特典、24時間対応のサポートサービスなど、海外旅行をより快適にするための特典が付いているカードを選ぶと便利です。
その他
緊急時のサポート
緊急時に海外からでも迅速に対応してもらえるサポート体制が整っているか。
キャッシング機能
海外で現金が必要な場合に便利なキャッシング機能の利用条件や手数料も確認しておくと良いです。
日本で発行したクレジットカードの使用可否
日本で発行したクレジットカードは、基本的に海外でも利用することが可能です。ただし、住民票の扱いや住所変更によって、利用に影響が出る場合があります。
住民票を残した場合
クレジットカードの利用
日本国内での利用と同様にクレジットカードを利用可能です。クレジットカードの有効期限内を確認しましょう。
利用通知
一部のクレジットカード会社は、海外での利用を通知するサービスを提供しています。このサービスを利用すると、不正利用を防ぐことができます。
カードの更新や再発行
住民票を日本に残している場合、クレジットカードの更新や再発行に関しても日本の住所に送られるため、海外での受け取りが難しい場合があります。あらかじめ受取人を決めておくと安心です。
住民票を除票して海外転出届を出した場合
クレジットカードの利用
住民票を除票し、海外転出届を出した場合でも、クレジットカードの利用は基本的に可能です。ただし、一部のクレジットカード会社では日本国内での利用が制限される場合があるため、以下の点に注意しましょう。
住所変更の届出
クレジットカード会社に新しい住所を登録します。この場合、海外の住所を登録することになりますが、カード会社によっては対応できない場合もあります。
郵便物の受取
海外住所に郵送物を送るカード会社もありますが、対応していない場合は、あらかじめ代理受取人の住所を登録しましょう。
カードの更新や再発行
住民票を除票している場合、クレジットカードの更新や再発行に際して、海外の住所に送ることができるかどうかを事前に確認する必要があります。特に、紛失や盗難にあった際に新しいカードを迅速に受け取れる手段を確保しておきましょう。
クレジットスコアと審査
住民票を除票すると、日本国内のクレジットスコアに影響が出ることがあります。新しいカードを発行する際や既存のカードの利用限度額を変更する際には、審査が厳しくなる場合があります。
海外利用におすすめのクレジットカード紹介
ここからは、12種類の海外利用におすすめのクレジットカードを詳しく紹介していきます。
※2024年8月現時点での情報です。最新の情報はカード発行会社へご確認ください。
ダイナースクラブカード
特徴
高ステータスカード。
メリット
豪華な特典やサービス、空港ラウンジ利用。
デメリット
高額な年会費、利用できない店舗が一部あり。
年会費
24,200円(税込)
対応国際ブランド
ダイナースクラブ
海外利用手数料
1.3%
ポイント還元率
0.4%〜1.0%
ポイントの種類
ダイナースクラブ リワードポイント
家族カード
5,500円(税込)
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高1億円
治療費用:最高300万円
救援者費用:最高300万円
賠償責任:最高1億円
携行品損害:最高50万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高1億円
入院費用:日額5,000円
通院費用:日額3,000円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高500万円)
JCBゴールドカード
特徴
国内で高い信頼性、海外でも利用可能。
メリット
ゴールドカードの特典、JCBプラザの利用。
デメリット
年会費が高め、還元率が他社に比べて低い。
年会費
11,000円(税込)
対応国際ブランド
JCB
海外利用手数料
1.6%
ポイント還元率
0.5%
ポイントの種類
Oki Dokiポイント
家族カード
1枚目無料、2枚目以降1,100円(税込)
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高1億円
治療費用:最高300万円
救援者費用:最高400万円
賠償責任:最高5,000万円
携行品損害:最高50万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高5,000万円
入院費用:日額5,000円
通院費用:日額2,000円
その他の保険
ショッピングガード保険(年間最高500万円)
JCBゴールドWカード
特徴
JCBゴールドの特典を保持しつつ、年会費無料。
メリット
年会費無料、JCBゴールド並の特典。
デメリット
WEB入会限定。
年会費
無料
対応国際ブランド
JCB
海外利用手数料
1.6%
ポイント還元率
1.0%
ポイントの種類
Oki Dokiポイント
家族カード
無料
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高2,000万円
治療費用:最高100万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,000万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高2,000万円
その他の保険
ショッピングガード保険(年間最高200万円)
エポスカード
特徴
年会費無料、マルイでの特典多数。
メリット
年会費無料、海外旅行保険自動付帯。
デメリット
特典がマルイに限定されることが多い。
年会費
無料
対応国際ブランド
Visa
海外利用手数料
1.63%
ポイント還元率
0.5%
ポイントの種類
エポスポイント
家族カード
不可
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高500万円
治療費用:最高200万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,000万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
なし
その他の保険
ショッピング保険(年間最高100万円)
アメリカン・エキスプレス・グリーンカード
特徴
世界中で利用可能、高ステータス。
メリット
空港ラウンジ利用、旅行特典多数。
デメリット
高額な年会費、還元率が低め。
年会費
13,200円(税込)
対応国際ブランド
アメリカン・エキスプレス
海外利用手数料
2.0%
ポイント還元率
1.0%
ポイントの種類
メンバーシップ・リワード
家族カード
1枚目無料、2枚目以降6,600円(税込)
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高5,000万円
治療費用:最高300万円
救援者費用:最高400万円
賠償責任:最高4,000万円
携行品損害:最高50万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高5,000万円、入院費用:日額5,000円、通院費用:日額2,000円
その他の保険
ショッピング・プロテクション(年間最高500万円)
アメリカン・エキスプレス・ゴールドカード
特徴
高ステータスカード、特典多数。
メリット
空港ラウンジ利用、旅行特典豊富。
デメリット
非常に高額な年会費。
年会費
34,100円(税込)
対応国際ブランド
アメリカン・エキスプレス
海外利用手数料
2.0%
ポイント還元率
1.0%
ポイントの種類
メンバーシップ・リワード
家族カード
1枚目無料、2枚目以降13,200円(税込)
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高1億円
治療費用:最高300万円
救援者費用:最高400万円
賠償責任:最高4,000万円
携行品損害:最高50万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高5,000万円
入院費用:日額5,000円
通院費用:日額2,000円
その他の保険
キャンセル・プロテクション、ショッピング・プロテクション(年間最高500万円)
楽天プレミアムカード
特徴
楽天市場での利用に強み、豊富な特典。
メリット
楽天市場でのポイント還元率が高い、空港ラウンジ利用。
デメリット
年会費がかかる。
年会費
11,000円(税込)
対応国際ブランド
Visa, Mastercard, JCB, American Express
海外利用手数料
1.63%
ポイント還元率
1.0%(楽天市場での利用で最大5%)
ポイントの種類
楽天ポイント
家族カード
無料
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高5,000万円
治療費用:最高300万円
救援者費用:最高200万円
賠償責任:最高3,000万円
携行品損害:最高50万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高5,000万円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高300万円)
リクルートカード
特徴
高いポイント還元率、年会費無料。
メリット
ポイント還元率が高い、年会費無料。
デメリット
保険や特典が少ない。
年会費
無料
対応国際ブランド
Visa, Mastercard, JCB
海外利用手数料
1.63%
ポイント還元率
1.2%
ポイントの種類
リクルートポイント
家族カード
無料
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高2,000万円
治療費用:最高100万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,000万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高1,000万円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高200万円)
三井住友カード
特徴
信頼性が高く、特典が豊富。
メリット
多様な特典や保険、Vポイントプログラム。
デメリット
年会費がかかる。
年会費
1,375円(税込)から
対応国際ブランド
Visa, Mastercard
海外利用手数料
1.63%
ポイント還元率
0.5%〜1.0%
ポイントの種類
Vポイント
家族カード
無料〜
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高2,000万円
治療費用:最高50万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,500万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高2,000万円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高100万円)
三菱UFJニコスカード
特徴
MUFGグループの信頼性、高いセキュリティ。
メリット
多彩な特典、安心のセキュリティ。
デメリット
年会費がかかる。
年会費
カードによる(1,375円〜)
対応国際ブランド
Visa, Mastercard, JCB, American Express
海外利用手数料
1.63%
ポイント還元率
0.5%〜1.0%
ポイントの種類
MUFGポイント
家族カード
無料〜
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高2,000万円
治療費用:最高100万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,000万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高2,000万円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高100万円)
ANAカード
特徴
ANAマイルが貯まりやすい。
メリット
マイル還元率が高い、航空関連特典。
デメリット
年会費がかかる。
年会費
7,700円(税込)から
対応国際ブランド
Visa, Mastercard, JCB, American Express
海外利用手数料
1.63%
ポイント還元率
1.0%
ポイントの種類
ANAマイル
家族カード
2,750円(税込)から
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高5,000万円
治療費用:最高100万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,000万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高5,000万円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高100万円)
JALカード
特徴
JALマイルが貯まりやすい。
メリット
マイル還元率が高い、航空関連特典。
デメリット
年会費がかかる。
年会費
2,200円(税込)から
対応国際ブランド
Visa, Mastercard, JCB, American Express
海外利用手数
1.63%
ポイント還元率
1.0%
ポイントの種類
JALマイル
家族カード
1,100円(税込)から
海外旅行保険の補償内容
死亡・後遺障害:最高5,000万円
治療費用:最高100万円
救援者費用:最高100万円
賠償責任:最高2,000万円
携行品損害:最高20万円
国内旅行傷害保険
死亡・後遺障害:最高5,000万円
その他の保険
ショッピング保険(年間最高100万円)
※最新の情報はカード発行会社へご確認ください。
まとめ
以上、海外移住者におすすめのクレジットカードについて紹介しました。
これらの情報を参考に、最適なクレジットカードを見つけ、快適な海外生活をスタートさせましょう。