アミタグループ、マレーシアで海外初のMEGURU STATION®の実証を開始

【リリース】2024年06月10日発表
アミタグループ、マレーシアで海外初のMEGURU STATION®の実証を開始
~一般廃棄物の資源循環を目指し、現地大学と連携~
https://www.amita-hd.co.jp/news/240610_sunway.html

2024年6月1日、アミタグループの海外統括会社であるアミタ・サーキュラーデザイン株式会社(以下、ACD)は、マレーシアのコングロマリット企業であるSunwayグループが運営するSunway University SDN. BHD.(以下、Sunway大学)と「MEGURU STATION®の実証実験の実施に関する基本合意書」を締結しました。本合意に基づき、同大学の近隣に位置する学校内に、海外初となるMEGURU STATION®(互助共助コミュニティ型資源回収ステーション)を設置し、約7か月間の実証実験を行います。本実証を通じて、マレーシアにおける一般廃棄物の分別回収のポテンシャル調査と、利用者の行動変容に関する知見の蓄積に取り組みます。今後はMEGURU STATION®を活用した資源循環システムの構築を図るとともに、海外での社会デザイン事業の展開を目指します。

1.背景

アミタグループは、2017年よりマレーシア国内で、現地製造業から排出される指定廃棄物の100%再資源化事業を行っています。本事業を通じてセメント会社向けに製造・供給した代替原料量は、2018年から2023年の6年間で2.8倍に拡大しました。マレーシアにおける指定廃棄物の資源循環ニーズは増加傾向にある一方、一般廃棄物については、分別回収に対する個人の意識差が大きく、リサイクル率の向上に課題を抱えています。

また、マレーシア政府は「マレーシア・プラスチック・サステイナビリティ・ロードマップ2021-2030」を策定し、廃プラスチックを中心にリサイクルを進めており、その市場規模は2019年時点で45億リンギット(約1,350億円)と言われています。さらに製品の廃棄やリサイクルの段階まで生産者が責任を負う考え方「拡大生産者責任(EPR)」の段階的な導入が予定されています。このため、マレーシアにおける環境関連ビジネスのニーズが今後さらに高まることが予測されます。

このような状況を踏まえ、マレーシアにおける資源循環市場の開拓に向けた新たな取り組みとして、キャンパス内で発生した資源の分別回収や資源循環に積極的に取り組むSunway大学と今後の事業連携も視野に入れた基本合意書を締結し、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®」の実証実験を行うことで合意しました。今回実証を行うMEGURU STATION®は海外第1号となります。

MEGURU STATION®について

アミタグループが日本国内で開発・展開を進める、地域資源の循環・利活用機能とコミュニティ活性化機能を融合した資源回収ステーションです。

詳細:https://www.amita-net.co.jp/region/megurustation/

Sunway大学およびSunwayグループについて

Sunway大学は、Sunwayグループが運営する大学法人です。Sunwayグループは不動産、建設、ホテル、レジャー、商業、貿易、製造、医療、教育などの事業を手掛けるマレーシアのコングロマリット企業です。
ACDとしては今後、同グループとの事業連携も視野に入れ、本実証を進めていきます。

・Sunway大学:https://sunwayuniversity.edu.my/

・Sunwayグループ:https://www.sunway.com.my/

2.本実証の概要

2024年6月7日より、Sunway大学の近隣に位置するFairview International School協力のもと、同学内でMEGURU STATION®の実証実験を開始します。

本実証では、地域主導の資源回収、および回収された資源の企業活用の可能性を探ることを目的に、MEGURU STATION®設置による消費者の行動・意識の変化を調査します。

具体的には、同学校の学生やその家族、教員、職員が主な利用者となり、プラスチックや雑がみ、アルミ缶などの分別回収を実施し、資源の分別回収のポテンシャルがどの程度あるのかを調査します。さらに、環境教育として回収資源を再資源化する施設の見学等も実施予定です。また、利用者アンケートを実施し、MEGURU STATION®の利用による行動変容に関する知見の蓄積を目指します。

実証期間と実証内容

<実証期間>
2024年6月7日~2024年12月31日

<実証内容>
・分別ボックスを設置し、学校内で発生するごみの分別を行う
・再資源化ルートを構築し、分別されたごみを資源循環させる
・活動の背景や意義を生徒へ伝え、実証の前後で意識の変化を調査
・仕組みのエラーが発生する要因と解決策を見つけ、他の設置場所でも再現できる状態にする

※本実証は、基礎科学、環境、芸術・文化、国際交流等の各分野で、研究や事業に対して助成を行う公益財団法人住友財団の助成を受けて実施しています(6月11日情報更新)

3.今後の展望

本実証では、マレーシア国内における資源回収のポテンシャルや分別の精度の知見を蓄積します。その得られた知見を活かして、マレーシア国内での企業・行政・ローカル組織と連携し、プラスチックなどの一般廃棄物の再資源化スキームの確立および社会実装に取り組みます。

さらに本取り組みをきっかけに、海外でのMEGURU STATION®を活用した資源循環システムの構築を図るとともに、持続可能な企業経営や地域運営を支援する、社会デザイン事業の展開を目指します。